地域の公民館のイベントで地元の生産者見学会があったので、参加してきました。
参加者はほとんどが女性で、食や健康に関心が高い年代と思われる方が多かったです。
最初に行ったのは原木でしいたけを栽培されてる農家さん。
原木は重く、年齢的にキツくなっているそうですが、後を継いでくれる人はいないそうでした。
原木のしいたけは美味しく、地元の学校の給食に使われているそうですが、将来的にそれもなくなってしまうのでしょうね。
ナラなどの原木にドリルで穴をあけ、そこにしいたけの菌の種を埋め込んで、活性化させるために一昼夜井戸水につけるなどして、栽培するそうです。
気温の低くなるこの時期は、しいたけもゆっくり成長するので、肉厚の傘ができ、美味しいそうです。
もうひとつ見学したのは、チーズ工房を併設している牧場です。
岡山市で酪農を営んでいるところは5年前の50戸から35戸に減少、牛の数も4000頭から1300頭に減少しているそうです。
原因はいろいろあるようですが、昔に比べ、子どもが減って、給食で飲まれる量が減ったりして、牛乳の消費量が落ち込んでいることが大きいようです。
また、エサを自前でつくる手間暇がなく、外国産の飼料を使うようになって、穀物の価格上昇も痛手のようです。
牛乳の価格が下落するなか、生き残りをかけ、生産+流通+販売の6次産業化が求めらているようで、ここの牧場もチーズ工房を併設して、モッツアレラチーズを作っていました。
試食させてもらえたのですが、そのままでももちろん美味しいのですが、トマトをのせオリーブオイルをつけたり、わさび醤油で食べたりと、ひと工夫でとても美味しかったです!
参加者のほとんどが、お土産でチーズを買って帰ってました。
試食って強力な販売ツールですよね。もちろん味に自信がなければできませんが、ま、こだわって作ったものなら、スーパーの大量生産品に負けるわけないですからね。
この牧場も、しいたけ農家さん同様、自分の子どもは外に働きにでており、後継者がいないそうです。
今、ニュースでTPPの報道がよく流れてますが、TPPに日本が参加すれば、日本の農業は大打撃を受けることは確実です。
ただ、人口の1割にも満たない国際競争力のない農業を保護して、日本の強みの工業製品やその技術産業が関税面で不利になり、結果、国が衰退してしまっては元も子もないでしょう。
このままでも、後継者不足で、衰退の一途である農業という産業ですから、遅かれ早かれ、食糧自給率も下がるでしょう。
ま、自給率40%っていう数字はカロリーベースっていう、危機感を煽るだけの数字で、実際スーパーに買い物に行って、普通に結構、国産のものが売られているのに自給率が40%しかないって、おかしいでしょう。
畜産物なんか66%くらいは国産なのに、輸入飼料で育てただけで、自給率から外されるから16%まで落ちちゃうわけで、食糧自給率40%っていう数字も実質は70%くらいあるんじゃないかな。
だからTPP参加して自給率が1割台になるって大騒ぎしてるけど、スーパーの食料品が9割輸入品になるわけがないでしょう。
どんなに安いからって、美味しくないものは買わないし、中国産みたいに、どんだけ農薬がかかってるかわからないものは買わないでしょう。
「食」は生きるための基本です。
安心、安全、新鮮、美味、この4つが揃えば、TPPに参加しても、本気でやってる農家は生き残れるでしょうし、消費者も国の将来を憂うなら、国産品を積極的に選んで自国の農業を守ればいいだけです。
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