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なかやま農場 
代表 中山壮一郎
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発酵型土壌の野菜が美味しいわけ

無農薬栽培ノウハウの文章を追加しましたので、大切なことなのでブログにもアップしときます。

 

一般の野菜の栽培では畜糞堆肥か化学肥料により10アール(約300坪)あたり25kgほどの窒素分を入れるようです。これは窒素分が1%の牛フン堆肥だと2.5tも入れることになります。

 

なぜこんなにも入れないといけないのでしょうか。

そもそも畑に投入した肥料がすべて野菜に吸収されるわけではありません。

 

大気中にガスとして逃げてしまったり、雨とともに川に流れていってしまったりもしますし(環境汚染です)、野菜が吸い切れずに土壌中に残ってしまったりするのです。

 

その土壌に残った窒素分は腐敗菌のエサとなりやすく、土壌が腐敗型の土壌になりやすいのです。腐敗とは酸化の一種であり、窒素肥料はアンモニア→亜硝酸態窒素→硝酸態窒素という経路で酸化していきます。 そして硝酸態窒素は苦く、これを多く含む野菜を食べると発がんリスクの高いニトロソアミンが発生しやすくなります。

 

腐敗型の土壌で育った野菜は苦味やエグみ、アクがありますが、それは人間の体にとって害となる物質を食べないように舌が警告してくれているのです。また、腐敗型の土壌の野菜は虫食いが多いのですが、虫にとっては人間とは消化の仕組みが異なるため、逆に硝酸態窒素が体にいいのでしょう。。

 

 

それとは逆に、窒素肥料ではなく、発酵菌たちのエサとなる炭素資材を入れた土壌は発酵型の土壌となります。炭素化合物(デンプン)をこうじ菌が分解し、糖をつくり、それを餌にさらに別な発酵菌が増えて、発酵(還元)により窒素分を無駄なくアミノ酸やタンパク質に変えていきます。また菌の仲間には空気中の窒素を捕まえて野菜に供給するものもいるので、無理に窒素肥料を与えなくても発酵型土壌では野菜は元気に育つのです。

 

そして発酵型土壌でできる野菜は野菜本来の素朴でさわやかな味となります。発酵とは人間にとって体にいい状態に物質を変化させる現象なのです。

 

硝酸態窒素により虫が食べにこないので、虫から身を守る必要がないため、大根の辛みや春菊やホウレンソウなどのクセの強い味が和らぎます。さらに、煮るとすぐにほっこり柔らかに煮えます。これも野菜が虫から身を守るために表皮を硬くする必要がないからです。

 

こういった本物の野菜を食べていると、一般の化学肥料で作られ、農薬をかけるしか栽培できない野菜を食べると、苦みやエグみが気になって食べたくなくなってきます。

 

子どもが野菜ぎらいなのは大人より舌が敏感なために、化学肥料と農薬でつくられた腐敗型の野菜を本能的に拒絶しているのでしょうね。


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