昨年秋に、パン好きの妻のために自家製パンをつくる目的でパン用の小麦を畑の一部に播いてみたのですが、先日、栽培管理の一つである「麦踏み」を行いました。
「麦踏み」とは霜柱によって浮き上がった土を押さえ、麦の不必要な生長を抑制し根張りをよくするために行う作業です。麦踏みは日本特有の作業です。日本では麦の収穫期がちょうど梅雨にあたることが多いのですが、茎が長く伸び過ぎた状態で、長雨に当たると、雨の重みで麦が倒れてしまいます。踏むことで、葉や茎が傷むのですが、そのことで、麦はエチレンという植物ホルモンを分泌し、エチレンの生理作用で茎の伸びを抑え、茎を太くし、根量が増え、さらに茎の数が増えるなどの効果をもたらします。
麦は「麦踏み」という試練によって梅雨の雨に負けないたくましさを手に入れるのです。
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