この記事の内容
①除草剤、グリホサートの安全性について意見が分かれる理由
②除草剤、グリホサートの危険性は論文ベースで明らかになっている
③除草剤、グリホサートにまつわる世界の潮流とそれに逆行する日本
④除草剤、グリホサートに対してどうすればいいのか?
①除草剤、グリホサートの安全性について意見が分かれる理由
除草剤の代表製品である「ラウンドアップ」 この主成分がグリホサートです。
このグリホサートが発がん性や、発達神経毒性、生殖毒性があることが報告されています。
一方、グリホサートの発がん性のリスクは少ないと主張する報告もあります。
このように全く別な主張をする人がいるのには理由があるのです。
ラウンドアップには界面活性剤が含まれ、界面活性剤とグリホサートを組み合わせることで、グリホサートが細胞へ浸み込みやすくなります。
つまり、界面活性剤と一緒にグリホサートを試験すると毒性が現れ、界面活性剤なしでグリホサートを試験すると毒性が現れないため、主張が分かれるのです。
②除草剤、グリホサートの危険性は論文ベースで明らかになっている
グリホサートとラウンドアップがヒト胎盤細胞とアロマターゼに及ぼす異なる効果
Differential Effects of Glyphosate and Roundup on Human Placental Cells and Environ Health Perspect. 2005 Jun; 113(6): 716–720.
ラウンドアップは、グリホサートをベースにした除草剤であり、世界中で使用されており、耐性があるように設計されたほとんどの遺伝子組み換え植物で使用されています。したがって、その残留物は食物連鎖に入り、グリホサートは河川の汚染物質として発見されます。実際に農家が薄めて使う濃度よりも低い濃度でグリホサートが18時間以内にヒト胎盤JEG3細胞に対して毒性があることを示しています。グリホサートベースの除草剤は、エストロゲン(女性ホルモン)合成に必須の酵素であるアロマターゼの活性を低下させ、悪影響を与えることが明らかです。哺乳類では、グリホサートだけでなく、ラウンドアップの内分泌および毒性の影響を観察できると結論付けています。ラウンドアップにおける補助剤の存在は、グリホサートの生物学的影響と生体内蓄積を高めることを示唆しています。
Co-Formulants in Glyphosate-Based Herbicides Disrupt Aromatase Activity in Human Cells below Toxic Levels Int. J. Environ. Res. Public Health 2016, 13(3), 264
グリホサート系除草剤の共製剤は、毒性レベル以下でもヒト細胞のアロマターゼ活性を破壊する
世界で最も使用されている農薬であるグリホサートベースの除草剤(GBH)の共製剤(グリホサート単独ではなく界面活性剤等の補助剤と合わせた状態)の内分泌かく乱性を試験しました。すべての共製剤で、農業用に使われている1%濃度よりもかなり低い濃度でも細胞毒性が高いことが示されました。性ホルモンのバランスの重要な酵素であるアロマターゼ活性について、毒性基準値以下でも低下することが測定されました。アロマターゼ活性は、補助剤のみ(ポリエトキシ化獣脂アミン-POEAおよびアルキルポリグルコシド-APG)と共製剤の両方とも、農業用希釈の800倍低い濃度から低下を示しました。一方、グリホサート単独では農業用希釈液の1/3でのみアロマターゼ活性を低下させました。 GBHによる内分泌かく乱は、補助剤にも起因する可能性があることが初めて実証されました。これらの結果は、グリホサート単独では見られないGBHの多数の生体内の結果を説明できます。現在、グリホサートのみの毒性試験から現在計算されている除草剤曝露の1日許容摂取量(ADI)値の妥当性を再検討しています。
A glyphosate-based herbicide induces necrosis and apoptosis in testicular cells in vitro, and testosterone decrease at alower levels.Toxicology in Vitro 2012, 26, 269-279.
グリホサートベースの除草剤は、in vitroで精巣細胞の壊死とアポトーシスを誘発し、テストステロンはより低いレベルで減少します。
つまり、男性の精子も傷つける可能性が指摘さています。
上記2つのグラフからわかるように、小麦アレルギーや自閉症が急増しています。
近年、急速に社会環境が変化したことの一つに小麦や大豆などの収穫前グリホサート系除草剤散布があります。
毒性リスクの高さが指摘されるグリホサート系除草剤を収穫前に大量に散布すれば、残留値が上がり、結果、人体に何らかの影響を与え、アレルギーなどの反応を引き起すことは容易に想像できます。さらに発達障害の一つである自閉症との相関の見られるグラフも発表されています。
遺伝子組み換えを含む食品を一切食事から外し、有機食品に変えることによって、その症状が激減するケースが多いことがアメリカのMoms Across America(アメリカ中の母親たち)という市民団代によって報告されています。
こうした情報は子どもを持つ多くの親に共有され、多くの改善例がさらに多くの親たちに広がる結果となり、急速に広がりつつあります。
③除草剤、グリホサートにまつわる世界の潮流とそれに逆行する日本
2016年6月20日 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、ポリエトキシ化(POE)牛脂アミンを使用したグリホサート製剤製品をフランスの市場から撤退させることを発表
EU の主要国はすでにグリホサートの 2021 年までの禁止を公言しています。
米国では 1万件を超すグリホサートによる健康被害などの訴訟が起こされ、昨年 8 月以来 3 件連続で高額な賠償金支払いを命じる評定が下っています。
一方、日本では 2017年にものによってはグリホサート残留基準値が400倍も緩和されました。
小麦の収穫前にあえて枯らすために除草剤をまくプレハーベスト散布の小麦ではグリホサートの残留値が高くなるため、日本では小麦の残留基準値が5ppmから30ppmに緩和されました。
ホームセンターや100 円ショップなどでも大量に販売されているため、公園、学校、道路など、子どもが遊ぶ環境でも普通にグリホサート入りの除草剤が頻繁に使用されており、その危険性についてはほとんど周知されていません。
グリホサート(除草剤の成分)輸入小麦使用の食パンから検出
国産小麦原料製品からは検出なし
http://www.nouminren.ne.jp/newspaper.php?fname=dat/201904/2019042201.htm
分析センターの八田純人所長コメント
「 基準値を超過すると考えられる商品はありませんでしたが、なによりもこれほど多くの製品からグリホサートが検出されたことにまず驚きました。原産国表示はありませんが、おそらくこれらは、アメリカやカナダなどの小麦を使用していると考えられます。
収穫前散布に使用されたグリホサートは、製粉され、こねて、焼かれてパンになっても、残留することを示しています。
グリホサートは発がん性が指摘されていますが、今回の調査は、パンを多く食べる人は、グリホサート摂取量が増えることを示す結果だといえるでしょう。」
小麦アレルギーを持つ子どもが急速に増えていますが、人類は過去何千年も前から小麦を食べてきましたが、アレルギーをもつ人は稀でした。
近年、急速に環境が変化したことの一つに小麦や大豆などの収穫前除草剤散布があります。
毒性リスクの高さが指摘される除草剤を収穫前に大量に散布すれば、残留値が上がり、結果、人体に何らかの影響を与え、アレルギー反応を引き起すことは容易に想像できます。
④除草剤、グリホサートに対してどうすればいいのか?
まずは国産の小麦、大豆、トウモロコシを選ぶ努力をすることでしょう。
そして、遺伝子組み換え作物は基本的にグリホサート系除草剤とセットで作られるため、遺伝子組み換え作物が原料として混じっていると思われる食品も極力さけるべきですが、日本ではすでに数多くの食品の原料に使用されてしまっています。
EUでは全ての原料の表示が義務化されているのに対し、日本では「含有量の多い3番目まで、かつ重量比5%以上の場合のみ表示」「途中で分解されれば表示しなくてOK」など、遺伝子組み換え食品の規制は気がつかないうちにかなり緩和されてしまっています。
実は日本は世界トップクラスの遺伝子組み換え作物使用国になっています。
安く手に入りやすい大手メーカーのものよりも、多少高くても信頼のおける地元の食品を選択する必要があります。
遺伝子組み換えを含む食品を一切食事から外し、可能ならば有機食品に変えることが大切です。
政府には除草剤汚染小麦の輸入を制限してもらいたいところですが、逆に6倍も基準を緩和しています。国民の健康を売り渡す行為ですね。
国産小麦は高いのですが、国内で小麦を作っている生産農家の所得を増やし、応援することになるので、自分と家族の健康を守る意味と合わせて国産小麦を選択していきましょう!
その行動により自分や家族の健康を守り、結果として、日本の食を支えている農家や地元地域の経済循環や発展にもつながるのです。