私は普段自分からは決して外国産の肉を買うことはありませんが、先日、妻の職場で慰労会の開催がコロナで出来ない代わりに、焼き肉セットが配られました。
何パックかの詰め合わせで、一部を除いて外国産の肉でした。貰ったものだから、たまにはいいだろうと思い、食べたのですが、食べた後、酷い胃もたれを起こしました。
私は有機農業を10年以上営んだ結果、一つの結論に至っています。
それは「質の良い物を作るためにはその材料にも良い質のものを使うこと」です。
野菜で言えば質の良い野菜を作るためには質の良い肥料が必要です。質の悪い肥料を使うと肥料に直接触れる根が傷み、良い野菜は決して作れません。
人や動物でいうと当然食べ物が重要なのです。質の悪い食べ物を食べると腸内環境が悪化します。野菜の根に当たるのが腸ですね。
腸が傷めば当然身体は何かしらの不調をきたします。人間の免疫力の6~7割は腸で作られると言われており、ウイルスや病原菌への抵抗力を落とし、細胞の癌化も抑えられなくなります。
話を元に戻しますが、外国産の肉がすべて質が悪いと言いたい訳ではなく、当然質の良い肉もあるでしょう。ただ、今回外国産の肉を食べたことで、国産の肉ではあまり身に覚えのない胃もたれを起こしたことから、恐らく質の悪い餌で育てられた牛だったのではないかと思うのです。
私の家のすぐ近くには安富牧場という牧場があり、そこでの牛の飼い方を見ると、なるべく手間をかけて牧草を集めて与えたり、快適に過ごせるように工夫し、とても牛を大事にしていることが分かります。
それは経済的な収入源としての大切さ以上のものです。命を育て、それを自分たちの糧として頂く以上、責任を持って大切に育てることは当たり前だという精神だと思います。
日本は古来より自然と敵対することなく、むしろ一体となって長く暮らしてきたという精神文化があります。
有名な俳句である「朝顔やつるべ取られてもらひ水」のように、朝顔にも配慮する精神性は欧米人にはあまりない感覚だと思います。
経済合理性を安易に追い求めていくと、見に見えにくいところから徐々に質の劣化が起こります。食べ物の劣化が人の劣化に繋がると思って間違いはないと思います。
なぜなら食べたもので人は作られるからです。
今のところ、日本の畜産農家さんの努力と高い精神性のおかげで、まだ国産の肉の方が外国産より質が良いものが多いとは思いますが、日本の畜産農家さんも経済的に追いつめられています。
外国産との価格競争を強いられれば強いられるほど、輸入飼料の割合が高くなるなどの餌の質の劣化を通じて、肉の質の劣化が起きていくのは必然でしょう。
国内の農家は消費者の健康を支えるために質の良いものを作り続け、消費者は国内産を購入することで国内農家を経済的に支えることが地産地消の大事なところだと思います。
私も質の良い農産物を作り続けられるよう、頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします。